神のみぞ知る

3月4日のときのクレームでですね、1件が、大手自動車メーカーへ直接納入してる
部品だったんで、今も再発防止対策の検討やってるんですが、今回のこのクレーム、
今まで、累計約30万本生産して、初めての事象なんですよ、しかも、発生本数が


1本


これ、ぶっちゃっけ、発生原因なんてわからないんですよ。例えば、100本中に1本
発生する頻度、いわゆる発生率1%なら100本か200本作ってりゃそのうち不良が
できて、お!ここだな!!ってわかるんですよ。それが30万本に1本なんて・・・


それかね、1日に1個発生するとかっていうなら一週間ぐらい貼り付いて監視しときゃ
見つかるんだろうけど、30万本て、


約3年です・・・


もう、想定です。
たぶんそうだろうとかね。
そりゃ再現テストもやりますよ。けどね、そんなカンタンに再現できるもんじゃ
ないですよ、できたとしてもゴリ押し。そんなむちゃな・・・って(笑)


自分、会社の品質管理を担当してかれこれ10年ぐらいになりますが、最初の頃は
発生原因、流出原因を見つけるのはすごい簡単でした、むしろ、対策を実施するほうが
難しかった。今は、原因を見つけるのも難しいし、それを客先に納得してもらうのが
一番難しい。客先は言います、

「そんなこと有り得るの?ほんとにこれが原因なの?」って。

でも、不良率1%と、0.001%では、不具合の「成り立ち」が全然違う。

まったく性質が異なります。自分は、「惑星直列」を引き合いに出すんですが、

各惑星が各工程もしくは操作だとすると、各工程の不良モードがある周期で
偶然重なったときに、クレームが発生すると。その周期は、1日とか100個
とかの短期ではなく、1年とか、10年とかの長期間に。


ちなみにトヨタの品質レベルは「100万本に1本でもダメ」っていうレベルです。
こうなると、不具合の原因なんて絶対に解明できないレベルです、ボクはそう
思います、経験上。その証拠に、トヨタは急加速の原因を究明せずに、
第3者のいうところの「原因」について反論、もしくは、否定を証明してます
よね。トヨタとしては、ブレーキ、アクセルには問題ないですよ、と言いたい。
つまり、


「問題がないことの証明」


ただね・・・これは最も困難です。
さすがのトヨタ
「〜〜だから問題無いのです」と締めくくることはできないと思います。
心底、気の毒にな・・・って同情します。ホント辛い思いされてると思います。

ま、市場や、Web、一般での議論、世論が真実を見極めてくれることを祈ります。
周りが決めることですからね。
神のみぞ知ると開き直りましょ(笑)